僕なりの阿蘭陀 (オランダ )の解釈
以前、「 阿蘭陀 (オランダ )」という、古い焼き物の解説をしましたが
じゃあ、長倉の作る「オランダ シリーズ」は、そこからどう展開して生まれたのか?
という ところで 終わったので
その続きを書いてみました (長文です)
もし、興味がありましたら、どうぞ
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最近「へえ!」と思った事があったので、シェアしますね
「クラシック」という言葉が あるじゃないですか?
古典と認識されていますが
クラシックの語源「クラス」には、
「格式」という意味も、あるそうなんです
例えばクラシック音楽は
王公貴族がたしなむ教養としての、流儀や様式に “合致する音楽” を差すものなので
その文脈に則っていれば、現代でも「クラシックの 新曲」が作れる
単に「古い音楽」のことでは ないんですね
知りませんでした
この 意味を知った時、
ああ、長倉の作る オランダ シリーズも、同じだなあと思ったんです
流石に 「格式」や「王公貴族の様式」云々 は大袈裟ですが
もっと砕けた感じに、僕なりに解釈すると
古作の「 阿蘭陀 (オランダ) 」 陶器の持つ文脈というか、持ち味みたいなものを汲み取って
今の日本の食器に落とし込めば
現代日本の 「阿蘭陀 」が作れる
という事でしょうか
前回も お話しましたが、「阿蘭陀」は、 江戸時代の輸入品、オランダ周辺地域の焼き物の 総称ですので
イタリアやスペインあたりの焼き物も、含まれているでしょう
なので、それら地域の 古い焼き物を、僕なりに因数分解して、共通項を導き出せば
「阿蘭陀」 陶器が出来る
こうして 導き出された、ひとつの解が
「柔らかな白地に、黄色と青の 組み合わせ」
だったんです
あくまで 長倉個人の見解では ありますが
この組み合わせを、うまく絵柄に落とし込むと
不思議と 阿蘭陀っぽい の雰囲気に なるんですね
なので、 長倉の作る オランダ シリーズは
古作の 阿蘭陀の忠実な「再現」ではなく
阿蘭陀 風味の陶器、といえるのです
とまあ、ここまで格好つけて書いてきましたが
因数分解とか、本人 あまり意味わかってませんし (笑)
そこまで戦略的に、阿蘭陀を作り上げてきたのかといえば 嘘になります
でも、古作の阿蘭陀の魅力に惹かれ、僕なりに勉強していく中で
模様の無い、白 単色のものは別にして
絵付けが 施されたものの中から、
日本人が 感覚的に感じる、欧州の趣を汲み取ろうとすると
ブルー × イエローの組み合わせが、もっとも しっくり来るんですね
これを あまり考えなしに、オリジナルの西洋らしい絵付けを、 ただ模倣してしまうと
バタ臭い雰囲気に なりかねない
うまく「再現」出来るなら、それも良いですが
現代日本の日常食器としては、使う場、使う人を 選んでしまう恐れがあります
「再現」は、高い技術力が もとめられるのです
なので オリジナルのもつ雰囲気を、うまく「変換」する方が
僕のような作り手には、最適な方法と 言えるんですね
「阿蘭陀」から「オランダ」へ
古作 (オリジナル) のもつ 文脈に則って、
その 持ち味を うまく生かせば
現代版の 新作がつくれる
これって、「クラシック」 な感じが しませんか?
強引かな (笑)
まあ、クラシック 云々は ともかく
長倉の作るオランダ シリーズは、このような経緯で生まれた
現代日本の オランダ陶器なのです
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