感動とは?、心が震える体験とは?
(この文章は、令和六年七月三日に、SNSにアップしたものを転載しています)
【 長文・何故 ナガクラは、「ルックバック」の事を書いたのか?】
前回 「ルックバック」 の事をアップしました
ルックバックとは、上映中の劇場アニメの事です
長倉は原則、自分のSNSには、 仕事の事以外は投稿しないと決めています
それなのに何故、突然 アニメ映画をすすめたのかと言えば
理由はふたつ
ひとつは、素直に 本当に 良い映画だと思ったから
もうひとつは、色々と考えさせられたから
後者は ルックバックの内容について、ではありません
そもそも、これから書く事は、ルックバックの感想や評論ではなく
ルックバックを観たことで、
「感動する」とは
「心が震える体験」とは
一体なんだろう?
そう思ってしまった事に 由来します
話は少し それますが
仕事柄なのか、時々こんな質問を受けます
絵画や、陶芸作品や、その他アート的なものを前にして
「自分は詳しくないんで、よくわからないんだけど」
と、前置きした後で
「これの何が良いの?」
そんな事を、聞かれるんですね
正直、答えに窮します
確かに、論理的にロジカルに
平易な言葉で、分かりやすく解説する事は
とても大事な事だとは思います
それが 作り手や 評論家なら なおのこと
だから 長倉は、あまり長文向きでもないSNSに、なんとか わかりやすい言葉にして
焼き物に関する文章を 、
アップする事を心がけているのですが
反面、そんな理屈ではなく
心から震える感動を、素直に味わうという
そんな感性も 大切にしたいとも 思うんです
例えば、初めての土地で、初めて目にする景色
満点の星空とか、なかなか見られない雄大な景色とか
それを目の当たりにして
「自分は詳しくなくて、よくわからないんだけど」
「これの何がいいの?」とは
なかなか口をついて、出て来る事は ないと思うんです
「思わず息をのむ」って言うじゃないですか
「感動」とは
「心が震える体験 」とは
もしかしたら、「無言」になる事なのかも知れないな?
ルックバックを観て、そう思ったんです
僕がルックバックを観たのは、
都内の 比較的大きな映画館
場内は満席
あくまで 僕個人の経験ですが
どんな感動的な映画であったとしても、
エンドロールになれば、数人は席を立つものなのに
誰一人として そんな人はなく
劇場が明るくなって、やっと皆さん ぞろぞろと帰りだしたのですが
感想を言い合ったりする様子もなく、
誰もが無言
ただ ただ、何かに圧倒された空気感があるだけ
そんな内容の映画じゃないんですよ
ショッキングなシーンがあるわけでも
圧倒的なアクションシーンがあるわけでも
俗に言う 鬱アニメでもなければ
安易な お涙頂戴というわけでもない
(ある意味、凄い表現の映画でしたが)
上映時間たったの58分
魔法少女でも 異世界ものでもない、
二人の女の子を描いたアニメです
僕の観た劇場の、僕の観た時間帯が、
たまたま、そうだったのかも 知れませんが
映画を観終わった後の
“ 同時に 出口へ向かう観客達の姿が ”
これ程 印象に残る映画も
なかなか 無いように思ったのでした
それぞれが、それぞれの頭の中で
今観た映画の内容を、自分なりに受け止め、理解し、 消化しようとして
誰も言葉を発しない
ただの 勘ぐりかとも思いますが
本当に感動した人の姿というのは
こういうものなのかも 知れませんね
先に書いた「これの何がいいの?」
と問いかけてきた人達も
人生一度位は、息をのむ経験をされた事があるでしょう
その対象がなんであれ
この感情を、どう表現したらいいのか?
言葉につまる場面もあった事でしょう
それこそが、心の震えるような感動だと思うのです
もし、その対象が アートに分類されるものだったら
どうか、その感情を大切にしてください
それこそが、真の豊かさだと、僕は信じています
ルックバック、とても 良かったですよ
なんなら 観に行くべきとすら
個人的には思っています
僕が劇場で体験した事と
同じ体験をする保証は、勿論ありませんが
まあ、難しい理屈は抜きにして
上映時間、58分の作品世界に 没入してみるのも
たまには いいんじゃないかと 思います
#ルックバック
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