今につながる得難い経験
皆さんから見て
長倉が どう写っているかは、わかりませんが
僕は本来、とても内向的な人間です
なんなら 人見知りですら、あります
それ自体、決して悪い事では ないと思いますが
内向型 故にというか
人見知り故に、苦い経験もありました
二十年以上も 前の事ですが
石川県の窯元で働いていた時に
同僚と二人、器展をさせて頂く幸運に恵まれました
この事については、いずれまた お話ししたいと思っているのですが
会期を半分にわけて、それぞれ 在廊しながら、接客というものを したんですね
自作の器を販売する という場では、はじめての経験でした
で、これが 長倉、 酷い有り様だったんです
何も話せない
何を話していいのか、わからない
ギャラリーの入り口が、ガラス張りになっていて
外から人が近づいてくるのが見えると
「 来ないで！」とすら思う始末
会社持ちの展示会なんですから、一人でも多くの方に、
なんなら、新しい取り引きに繋げる位の、
僕の在廊は 散々な結果だったんですね
この経験は、沢山の課題を 浮き彫りにしてくれました
今でも、こんな得難い経験を させて頂いた社長には、感謝しているのですが
その課題のひとつが、接客だったんです
月日は流れ、独立して
展示会をする機会も増えてきて
そこに かつての僕は
まるで、なかったかのように
お越し頂いた方、誰彼 構わず
べらべら べらべら べらべら べらべら
話かける 長倉がいるのです
なんだったら、一人勝手に喋りすぎな位 (笑)
長倉在廊の展示会に お越しになられた方には
そんな僕を実感された方も、いらっしゃるのでは ないでしょうか？
鍛えられてたんでしょうね
知らず知らずの間に
鍛えて貰ってたんだと思います
「接客スキル」、、、
うーん、違うなあ
「不特定多数の人を臆さないメンタル」
こっちの方が、しっくりくるでしょうか
それが、僕が独立時に掛け持ちした、
ふたつのバイトが与えてくれた
「ふたつの大切なもの」の内の、ひとつなんです
コンビニのバイトは、まあ、言うまでもありませんよね
もうひとつの カレーチェーン店は、僕はバイトで入るまで 知らなかったのですが
とても 接客を大事にする会社で
お陰で随分と 鍛えられました
焼き物をやっていく上で、誰も彼もが接客スキルが必要かと言えば
そんな事は ありません
「焼き物」や「陶芸」という言葉に、
接客のイメージがないように
作る事に優れていれば、それで十分な世界では あります
役割分担で、お店の方に任せればいいだけの話です
でも、僕のように、展示会を自分達で企画・運営するなら 話は別
お客様とのトーク力も 必須です
作り手本人から、 器が生まれた経緯なんかを直接聞けるのって
展示会のような機会でもないと、
なかなか ないと思うんですね
勿論 トーク力は 、売り上げに繋がるというメリットも あるのですが
予定を たてて頂いて
お時間 作って頂いて
わざわざ お越し頂いた方への
最大限、 感謝の気持ちでも あるんです
ただ器が並べられてて
会場の隅っこで、作り手がぼーっと、つっ立ってて
しーん、、、、と静まりかえっている空間なんて
つまらなくありませんか？
余程、大人気の作家なら、そんな心配は無用なのかも知れません
一目 本人を見られただけでも、僥倖だったりするでしょう
そんな人は、一握りですからね
アトラクション会場とまでは言いませんが
学際のような、わいわい楽しい時間を、
その延長線上に、長倉の器を
お家に迎えて頂けたら、嬉しい
そんな展開会が理想なんですね
その為には、内向型の性格は、一旦隅に置いといて
お客様や、サポートしてくれるメンバー達と
明るく楽しい展示会にするメンタルが、僕には必須だったのです
それが、まったく思いもよらない形で
元より、そんなつもりで始めた訳ではなかった、
知らず知らずの内に、与えて貰ってた
二十年前の僕が見たら、きっとびっくりする事でしょう
生きるって、本当に色んな事がありますね
「不特定多数の人を臆さないメンタル」
少々変な表現ではありますが
僕にとっては 大切な宝物
それが、内向型の僕に与えてくれた
二つの学びの内の、ひとつなんです
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（おまけ）
実は長倉
常々 新しく会得したいスキルがございます
それはズバリ
「 分身の術！」
、、、何だ この ガッカリ感は！(笑)
冗談ではありません
まあまあ、本気で思ってます
長倉の身体はひとつ
展示会中
同時にお越し頂いた、別々のお客様をお迎えするには、
どちらか一方と お話してると、
もう一方が、なおざりっぽく、なってしまう
そんな時に 分身の術があればと
何度 思ったことでしょう ！
ま、そこを うまく立ち振る舞うのが
本物の接客 なんでしょうけどね (笑)
だから、僕がバイトで得たスキルは
「接客」ではなく
「不特定多数の人を臆さないメンタル」
なんです
※ 次回、バイトが僕に与えてくれた、
もう片方を、お話ししますね
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（画像の器）
二十数年、石川県の窯元に在籍していた時に
同僚二人と、展示会をさせて頂いた時に作った器
唯一、手元にあるお皿です
ベースの形は、漆器から取ったもの
当時、縄文土器が好きで、そのイメージを 器面に表現してみました
全然売れなかったけど
今見ると、これはこれで 悪くはなかったなと、思います
準備中です
