三島シリーズ
浅学ながら長倉も
古今東西の焼き物からインスピレーションを受け
それを一度、自分の中に落とし込んだ後
現代生活に合うよう、アレンジを加えたものを
飛騨照見窯の器として、シリーズ化して来たのですが
特に影響を受けたものの中に、李朝 (りちょう) 陶磁というのがあります
李朝とは、およそ500年続いた朝鮮王朝の事
そこで作られた器を総称して、李朝陶磁と呼ぶのですが
一口に李朝陶磁と言っても、流石に500年も続くと、実に様々な様式があります
中でも殊更刺激を受けたのが、三島手(みしまて)と呼ばれる技法の器でした
三島手とは、焼くと褐色になる粘土で器のボディを作った後
半乾きのところで、ヘラや、印花(いんか)と呼ばれる判子を使って文様を彫り
そこに白い泥を塗り込んで、文様を浮かび上がらせるというもの
所謂、象嵌(ぞうがん)と呼ばれる技法で装飾した器の総称です
端正な作りの三島手も良いのですが
長い年月の中には、どこか稚拙な味わいのものも多く作られていて
そちらの方が、僕にはむしろ魅力的に感じられたものです
( 三島手の参考画像。昔、長倉が作ったものです。これでも装飾は幾分引き算してあります )
ただ、この三島の象嵌技法を、そのまま現代日本の食卓に置き換えるには
文様の陰影が強い分だけ
幾分、装飾が勝っているようにも思えて
それで、あえて象嵌にオブラートをかけるような方法を取ってみたりと
僕なりに工夫を凝らしたのが、飛騨照見窯の三島シリーズ
李朝陶磁由来の、歴史に裏打ちされた装飾技法の良いところを
今日、私達の生活様式に溶け込ませる事が
少しは出来たのではないかと
思っております
準備中です