どんなハイクオリティな器も、使う人によっては日常食器になる
今回も 若かった頃の話です
皇室に、自社の器を納入した事のあるという
とある窯元の社長と、お話させて頂く機会がありました
今から思えば、とても贅沢な経験だったのですが
その時語って頂いた 苦労話は、今でも覚えています
器が完成すると、宮内庁の担当者が検品に来るそうなのですが
その合格ラインが、とんでもなく高くて
通常なら 全然OKのところでも、
厳しくジャッジ されてしまう そうなんです
元来、精緻な器を 手作りで量産する、
とても高い技術をもった窯元なのですが
そんな窯元の技術力をもってしても、
皇室に求められるクオリティには、とても苦労したと
懐かしそうに語られる 社長さんの姿は、今でも忘れられません
こうして 無事に納める事の出来たハイレベルな器も
皇室の方にとっては「日常食器」
という事に なるのでしょうか
一口に「日常食器」といっても、どんな方に向けてお届けするのか によって
作り手の心構えが変わってくる
↑これ、後になって気づいた事なのですが、暗に 教えて頂いてたのかも 知れませんね
言い換えれば、自分がどのような方に器を使って頂きたいのか
その対象を明確にしないと、的外れな器を作りかねない
という事なのでしょう
やはり ここでも、「具体性」が求められるんですね
流石に 皇室は別格としても
ラグジュアリーに相応しい生活をされている方に向けてお届けした いのなら
それに見合うものを作る 作家に なるべきでしょうし
100均や量販店の、安価なもので十分という方には
機械で大量生産する工場が 最適解でしょう
どれも 極端な例えではありますが
「自分が どのような方に使って頂きたいのか?」
という課題は、早い段階で明確にしておくべき でしょう
シンプルに 売れる 売れないに反映されますし
仮に売れたとしても、それが使って頂けるかまでは、わかりません
「タンスの肥やし 」ならぬ
「食器棚の肥やし」 となってしまったとして
それが 作り手として 幸せなのかどうか、、、
そう考えると、至極当然とも思える
「どんな方に使って頂きたいのか?」
というフレーズは
言葉以上に、 重みがあるように思うのです
(つづく)
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動画は「化粧土」という 白い泥を、器に塗っているところ
元来、白くない粘土を、白い風合いにするために編み出された、 古くからある技法で
この技法で作られた器を「粉引き(こひき)」といいます
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