長倉の独り言

オランダ・シリーズの解説 その1

焼き物における「オランダ」  とは?

今回は ちょっとした、焼き物の解説をしますね
「オランダ」という焼き物について
漢字にすると「阿蘭陀」
こちらの方が、雰囲気が伝わります
ご記憶かどうかは、わかりませんが
長倉の作る器の中に、「オランダ・シリーズ」なるものがあります
画像① の器ですね
そもそも「オランダ」って何?
という方も、いらっしゃるか と思いますので
ざっくりですが、お話ししようと思います
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日本の焼き物には、様々な名称 があります
(分類といった方が、正しいのかも知れません)
由来は大きく3つに、分けられるでしょうか
○「九谷」、「備前」、「唐津」  等
多くの場合、 産地の名に由来するものが 殆どでしょう
○それらの中から一部、単独で名称が与えられたものがあります。
例えば「志野」、「織部」 なんかが それ
元々は 「瀬戸焼」の中に括られていたものが、後に それに由来する人物の名で、呼ばれるようになったものとか(諸説あり)
○或いは、「(古)伊万里」  のように、荷揚げされた土地(港)の名が、その周辺各地の焼き物の総称となったものまで、様々です
ざっくりですが、「オランダ」は三番目に該当します
江戸時代、ヨーロッパと唯一の貿易国だった、オランダから 輸入された 焼き物の総称なんですね
本国、オランダの デルフト地方の窯で作られたものも、ありますが
デルフト以外の周辺地域
広くは、イタリア、スペイン等、欧州各地の焼き物も
オランダの貿易商を通じで輸入された為、同じ「オランダ」として 括られたようです
おそらく最初は、
例えば、薬草等の輸入品を入れた「容器」として 、日本に入って来たものから、見出されたのでしょうね
日本にはない、その独特の風合いや絵柄が珍しいと
大名や茶人に好まれ
茶の湯 等に用いられ、珍重された 焼き物の総称こそが
「 阿蘭陀(オランダ)」なんです
オランダの陶器の魅力は、その柔らかな風合いにあります
文様の無い、白 単色の ものから (画像②)
そこに 青い顔料で、絵付け が施されたもの (画像③)
さらには 赤、黄、紫、 等を使った、色絵のものまで様々 (画像④)
白はパキッとした純白ではなく、ニュアンスのある ホワイトが特徴
形も絵柄も、異国情緒溢れたところが、当時の趣味人を魅了したのでしょう
はじめは、見立てといって
例えば、「薬壺」として入ってきたものを、茶席で「水差し」 として使用したり
「エッグスタンド」を 「蓋置き」にしたり
髭剃り用の「クリーム入れ」を、「香炉」として用いたりと
本来の用途とは 別の使い方で、趣向を凝らしていたようですが
やがて、素材風合いはそのままに、サイズや絵柄を 日本好みに見直したものを
貿易商を通じて、注文した物も あるようです
徳川の時代、唯一の貿易国だったオランダを経由して来た欧州の焼き物を
舶来品と有り難がり、ただ飾って眺めただけでなく
日本の文化と融合させ、
実際に使い、愛(め)で、今日まで 大切に受け継がれてきた
そんな歴史をもつ陶器が
「 阿蘭陀 (オランダ) 」なのです
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以上、ざっくりですが、焼き物における「オランダ」の解説は、こんな感じです
この辺に しとかないと
話しだしたら、きりがありませんので(笑)
では、この「オランダ」というものを、長倉が どう自分の器に落とし込んだのか?
そのお話は、また別の機会にするという事で
今回は 焼き物の「オランダ」とは
こういうものですよ
という概要が、さらっと、 ざっくり
おわかり 頂けたら、幸いです
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画像① 飛騨照見窯版・オランダ陶器です
画像② オランダ・装飾のない、白一色のもの
とろりとした白が魅力です
画像③ オランダ・藍の顔料で絵付けが施されたお皿

画像④ オランダ・色とりどりなカラフルな徳利と さかづき

もとは別の用途だったものを(例えば花瓶とか) 酒器として使用したのでしょう

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